Special Seminar

Speaker: Kaoru Endo (Gakushuin U.)
Title: フェイクと炎上—ソーシャルメディア時代の社会倫理を考える
Date (JST): Tue, Jul 02, 2019, 13:00 - 15:00
Place: Lecture Hall
Related File: 2337.pdf
Abstract: FacebookやTwitterなどソーシャルメディアが個人からの情報発信を容易にした現代。ソーシャルメディアが多様な議論をベースにした「公共圏」を構成するという期待の一方、フェイクニュースや炎上などの問題現象も多発するようになった。ソーシャルメディアがアメリカ大統領選挙やイギリスのEU離脱など重大な世論形成にも影響したとされ、次世代の通信市場をめぐって米中の貿易対立は激化している。人と人とのコミュニケーションを媒介するはずのソーシャルメディアが、かえって社会の分断を引き起こしているとの指摘もある。ソーシャルメディアの影響は研究領域にも及んでいる。ビッグデータやシミュレーションなどを用いた計算科学は、科学の第三の形態で、実験/観測と理論の間を補間し、自然科学と人文社会科学を架橋すると期待される。それは同時に、研究倫理のあり方に再検討を迫るものでもある。光と闇が表裏一体となったソーシャルメディアの時代、社会において共有されるべき倫理について、日米中での調査結果もふまえつつ、改めて問い直したい。